劣等遊民

千の旬に会うために。

〆切煉獄

 報告書の〆切が迫っているのにダラダラ過ごしすぎたから、いま追い込みをかけられている。これぞ自業自得の鑑だ。
 僕はたいてい何かに取りかかるのが遅い。ぐうたらでグズで、役に立たない。人は滅多にそう言わないが、僕自身がそう言い聞かせている。深く内面化したセルフイメージを克服できず、何度も同じ過ちを繰り返す。わかっちゃいるけどやめられない、そんな中毒性がある。

 そもそも僕は何を思って、ギリギリを攻めているのか。表面的には何も考えていなくとも、その奥底には何らかの思想、イデオロギーがあるのではないか。己の内面は見たくない。殺伐として荒涼とした、そんなイメージが思い浮かぶ。限界を狙い余裕を失い、築き上げてきたものが無になる。そういったことも僕の中では悪くない。
 追い込まれたとき、多くの場合はちょうのあたりから発熱する。危機を感じて体の芯から反応しているのかもしれない。精神的にはちょっとしんどいが、肉体的には充実している、そんな状況。
 通常時よりパフォーマンスが向上している感じがするから、やめられない。人に迷惑をかけていることはわかっているが、僕の納得感も大事だ。〆切が近づいてはじめて見えてくる側面もある。

 とはいえ、こんなやり方は続かない。いつか大きな破綻を迎えて後悔する羽目になるだろう。社会人として3年目。少しは賢く、先を見据えて行動するべき時期と心得る。