僕は自分を偉大な者の生まれ変わりだと思っていた。
誰かというと、尾崎豊と中上健次の2人である。
尾崎豊の命日は、1992年4月25日。享年26。
中上健次の命日は、1992年8月12日。享年46。
いずれも僕が生まれる約1年前に死んだ。
どちらも迸る才能を滾らせながら、その果てを見ることは能わず。
僕など何の才も無いけれど、ただただ彼らに憧れている。
「生まれ変わり」などと思い上がり甚だしく、そのくせ何を遂げるわけでもない。矮小市民だ。
彼らの鋭い言語感覚と批評精神、重厚で繊細な世界観。
それに代わるものを突き詰めたい。